ノンフィクションライターの今井美沙子さんが、亡くなった義父の生活について書かれた本です。
「もったいない」というだけなら普通の節約本ですが、ここまでくると「汚屋敷」です。
しかも、もったいないの基準がまったく分からない。
独自の基準がある。
ボロイ布団を収納するために三十万の小屋を庭に建てる。
封筒を裏返して新しい封筒を作る作業をしていて、待ち合わせに遅れそうになりタクシーに乗る。
賞味期限の切れた食品を保存するために、三台の冷蔵庫を使う。
物という目に見えるものは節約できるけれど、電気のように目に見えない物は節約と言うことをしない。
他人から来た手紙を切ってメモ用紙に使う。しかもそれを、手紙を出した本人が見てショックを受け、やめてくれと言ってもやめない。広告の裏の白い物を使うところまでは「節約」ですけど、他人からきた手紙の裏がいくら綺麗でもこれはだめですよね。
畳もぼろぼろ、タオルも雑巾か?と思うような物。
下着は茶色く変色して継ぎがあたっている。
ティッシュは使わず、新聞紙を切って使う。自分の妻の自宅介護の時もティッシュも使わせてもらえず、介護していた作者は大変だったそう。
そんな家にお嫁に来て同居するも、あまりの汚さに食事さえもできず激やせした作者が我慢できたのは、ノンフィクションライターという目線があったおかげ。
物書きってすごいんだなーとあらためて思いました。
これをいずれは書く!という気持ちがあったらなんでもできるんですよね。嫁である以前にノンフィクションライターなんだと思いました。
私だったら…同居どころか一日もいられません。
といううちの義母も「消費期限は一週間ぐらい余裕を持って設定してある」と期限が切れて三日目の鶏肉を平気で使うような人…人並み以上に神経質な私には耐えられません。
この本も読むだけで気分が悪くなりました。 |
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